カルシウムは骨を作るのに最も大切な栄養素ですが、日本人の食事にはカルシウムが不足しているといわれています。牛乳には、カルシウムの量が多く含まれているだけでなく、吸収の点でも優れています。カルシウムの吸収率は、小魚33%、野菜19%に対し、牛乳は約40%で最も効率よく吸収されます。これは、牛乳中のたんぱく質や乳糖が吸収率を高めているからだといわれています。「森永牛乳」200mlには227mgのカルシウムが含まれており、これで成人の目標量(1日600mg~650mg)の約3分の1を手軽に摂ることができます。
子供から大人まで一日200ml位飲むとよいでしょう。
特に、10才~15才の成長期は背が伸び体重も増えますので一日400ml位飲むとよいでしょう。そして外で運動すれば、骨が丈夫になります。
牛乳に限らず冷たい飲みものを一気に飲むと腸を刺激してお腹がゆるくなることがありますが、牛乳を飲むと、実際にお腹にガスがたまったりゴロゴロする人も少なくありません。これは牛乳中の糖質である乳糖を消化する酵素「ラクターゼ」の小腸での分泌が少ない人では、乳糖が大腸まで届いて、腸内の浸透圧を高めて水分量を増加させたり、大腸内の細菌が乳糖を餌として利用する際にガスが発生したりすることが原因です。このような人は、温めた牛乳を少しづつかむように飲んだり、ヨーグルトやチーズを食べるのがよいでしょう。ヨーグルトは乳酸菌で発酵させ、乳糖が一部分解されていますし、チーズは作る途中で乳糖がほとんど除かれています。
これはラムスデン現象といわれ、牛乳が40℃以上になると表面の水分が蒸発し、表面の乳成分の濃縮凝固が起こり膜ができるのです。豆乳を温めて作られる「ゆば」も同じ原理です。膜の成分は、最初にできるものは脂肪約70%、たんぱく質約20~25%で、加温時間が長くなるほど脂肪分が少なく、たんぱく質の多いものになります。このように膜に含まれているのは栄養成分だけですので、食べても問題ありません。
牧場で飲んだ牛乳が、脂肪が浮いてクリーム層になっていたのであれば、均質化(※)していない牛乳だと思われます。最初の一口でこのクリーム層を飲むと、濃い味が口に広がって、おいしいと感じ、逆に、クリーム層の下は脂肪分が少なく薄く感じます。お店で売られている牛乳は均質化されていて、脂肪球が小さくなっていますが、中身が薄いわけではありません。牧場の広々とした場所では、気分が解放されますので、いっそうおいしく感じるのだと思われます。
※均質化とは?
牛乳の脂肪分を細かくすることです。ホモジナイザーという装置で牛乳を細かいすき間から高圧で押し出すことで、脂肪球を小さくします。均質化(ホモジナイズ)により、牛乳の脂肪球が浮いてこないので、始めから飲み終わるまで均一な味わいとなります。また、脂肪球やたんぱく質の粒子が細かくなるので消化吸収がよくなります。
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